名古屋コーチン、薩摩シャモと並び、全国に150銘柄以上あるとされる地鶏の中でも、日本三大美味鶏の筆頭に数えられる比内地鶏。 もともとは原生種の比内鶏ですが、美味すぎて数が減りすぎた、というわけで、昭和17年に国の天然記念物に指定されました。
現在食用として流通しているのは、雄の比内鶏と雌のロードアイランレッド種を一代交配したもので、「比内鶏」 に対して 「比内地鶏」 と呼んで区別しています。 産地は秋田県の最深部、奥羽山脈麓の比内町で、ここより全国の食通、鶏肉ファンへと出荷されています。
ただしその飼育が許されているのは、全国でも限られた、わずか24農家のみ。 希少な比内地鶏のうちでも、当店に新鮮な比内地鶏を配送して下さっているのは、生産部の一人である山口さん。 生産部の最年長でも意気軒昂、70歳を超えるお年で元気に地鶏を育てています。
種や血統だけではなく、育て方こそが全て。
これほど貴重な比内地鶏だけに、飼育方法にも独特のこだわりがあります。 とはいっても、特別な餌や施設を使って育てているわけではありません。 昔ながら、原生種の比内鶏が生まれ育ったような自然の環境において、思う存分いきいきと、そしてのんびりと育てるだけ。 生後30日を経過した比内地鶏は、出荷されるまでのおよそ150〜180日間、澄んだ水・豊穣な土地の元で放し飼いされます。

放し飼いによって十分に運動した比内地鶏には、余分な脂がつきません。 天然の餌を食べて育つために、独特の風味も生まれます。 それは鶏肉だけではなく、卵の質にも大きな影響を与えます。 箸でつかんでも崩れないほどの弾力をもち、なめらかさとコクが備わった、最高の卵になるのです。
最高の比内地鶏を最高の状態で東京まで運送、名だたる銘酒の肴にしていただく。 「水炊き鍋」や「親子丼」、「焼き鳥」としていただく。 これほどの贅沢は、なかなかないのではないでしょうか。